上村 慎二さん(かみむら農園 かわいい農家はオーガニック野菜農家です)
- 作っている場所
- 京都府八幡市
- 作っているもの
- いちご、オクラ、大根、人参、洛芋など、など
特色
野菜の味を表現するのに、あまり使うことがなかった、
「甘い」を、どのお野菜を食べても思わず発してしまう、そんなお野菜作りをされている上村さん。
「味を乗せるのが農家の仕事」
と、初めて畑に伺った時におっしゃられていましたが、一口食べて、その言葉に納得、でした。
とても気さくな方で、私がどんなに(めんどくさい?)質問をしても嫌な顔一つせず答えてくださるのと、話がとても分かりやすいのは、
もともとサラリーマンで、営業職などの経験がおありだからでしょうか。
いつも元気でパワフルで、SNS投稿はいつも笑いを提供してくださる上村さん。(農作業はきっとめちゃくちゃハードなのに関西人らしく?!いつも笑い話付)
野菜に特にこだわりがあったわけでもない10年ほど前、奥様のお父様が作られてたナスを食べて
「野菜って人を感動させることが出来るんだ!」
と、その美味しさに衝撃を受け、農業の世界へ。
当初、有機農家で有名な京都の師匠のところで農業を学ばれて、独立。
本来、農家ではない人が農地を借りるのは大変だそうですが、ご親戚や、実直に農業をされる上村さんのお人柄もあってか、今は8反ほどの農地を管理されています。
実は、上村さんはいろんなアレルギーの持ち主で 以前、トマト作りをされていた時に、急にトマトアレルギーを発症し、命の危険を感じて、トマト栽培を中止された経緯があります。
それでなくても、畑には、危険がいっぱい!虫だって獣だって、いろいろ出てきますし、暑すぎる、寒すぎる、雨がひどすぎる、という近年の異常気象もあり、まさに色んな意味で、命がけの職業でもあると私は思ってますが、それに加えてアレルギーのものを育てるのはさらに危険性が高まるわけで、、今はアレルギー反応の出ない作物を作られております。
作物を作る上で、特に注力されているのは、苦味やえぐみになる硝酸態窒素の含有量をいかに少なくするか。
毎年、徳島で㈳日本有機農業普及協会が主催で、栄養価コンテストというのが行われているのですが、そこに大根やほうれん草などを出品されて、 大根にいたっては、2019年、2017年と大根部門で最優秀賞を受賞されています。
受賞の決め手は、その苦みやえぐみとして感じられる硝酸イオンという物質の含有量の低さと、抗酸化力と糖度の高さのバランス。
理系クラスにいたのに、理系分野はからっきしだめな私は、化学的なことはなかなか理解が出来ませんが、、難しい説明は抜きにしても、食べて頂いたら、
「あ、そういうことね!!」と、体感していただけるはず。
本当にえぐみがなくて、昔から、あの割と苦味があると思っていたホウレン草ですら「甘い」と感じていたほどです。残念ながら、今はホウレン草は作っておられませんが、他のお野菜も本当に甘みが強いです。
野菜=えぐい・苦い・くせがある
などというイメージがあった方やお野菜嫌いのお子さんに、ぜひ食べて頂きたいです。
ちなみに、他の化学農薬や化学肥料不使用のお野菜を食べてダメだった、化学物質過敏症の方が、上村さんのお野菜を食べて、なんともなくて、喜んで買って帰られたこともあるそうで、アレルギー体質である上村さんだからこそ、その喜びがより分かられるのではないかなと思います。
最近は、日本でも10人いるかいないか?!でほとんどされている人がいないという、有機JAS認証のイチゴ栽培を始められました。
3種類のイチゴをハウスで作られていますが、なんせ、温度管理やら受粉やら、虫対策やら、お話を聞いているだけでも非常にお世話が大変な作物のようです。
有機JAS認証のものは、使える農薬や肥料が非常に限られているのですが、 その中でも、ハエやテントウムシ、微生物など(生物農薬にあたるそうです) 一般人にとってはとても面白いものを使われます。
イチゴにつく、いわゆる(人間にとっては)害虫の天敵を放って食べてもらったり、 まんべんなく受粉してくれるように・・・
もちろんそれはイチゴだけでなくて、夏野菜のオクラだって、蜂の力を借りて、受粉してもらうそう。
(上村さんはアレルギーをおもちなので医療用ハエで受粉)
最近は、そういった生物たちがいい仕事をしてくれることが広まって、非常にたくさんの化学農薬を使うイチゴ農家さんも、ちょっとずつ生物を使うようになってきているのだとか、、、
生産者さんの技術はもちろんのこと、それにさらに虫たちの力も加わって、 美味しい作物が出来ることを、教えてくださる上村さんです。
こだわり
豆腐やさん(国産大豆100%使用・消泡剤不使用)で大量に出るおからや、腐葉土、油粕、米ぬかなど、植物系有機肥料のみを使用して栽培。(有機JAS認証取得)肥料はご自身で発酵させ、肥料化。野菜の持つ本来の味を100%引き出せるよう、えぐみ成分でもある硝酸態窒素の割合を極力減らすように作付け。
野菜を口の中に入れて、飲み込んだ後、2分以上味が残る野菜を作ることがミッション。
生産者さんからのひとこと
オーガニックの美味しいお野菜を作ってます!