井上 昌則さん(井上漬物店5代目)
- 作っている場所
- 京都市下京区
- 作っているもの
- 京漬物、糠漬け、たくあんなど、など
特色
「京都の昔ながらの方法で造ったお漬物」
を意味する京漬物を、京野菜だけでなく、
その季節のおいしい野菜を近郊都市から仕入れて、
おいしく作られています。
糠漬けなど昔ながらの発酵漬物と、
お父様が時代の流れによって取り入れられた
浅漬けなどのお漬物を作られています。
元々は好きなバイク関係の仕事をしていた井上さん、
昔からなんでも追及癖があったそうで、物に対してだけでなく、
もっと精神面のところを深く追求していきたいと思った時に、
「漬物とか発酵ってキリないし、めっちゃ追及しがいある」
ということに気づき、発酵の世界へ。
井上漬物店さんは、
お店は清水寺へ続く旧五条通りとも呼ばれる
歴史ある松原通り沿いにあり、
家族経営でお店をされています。
お店に一歩入ると、奥様やお母様の素敵な笑顔に、
「ただいま」と言いたくなるような温かい雰囲気がありつつも、
あれ?お漬物やさんにピアノが?!と、いろいろと面白いものに
出会える店内。
糠床を買いに行くと、
かすかに「ふわっ」とずっと嗅いでいたい
いい香りのする空間に包まれます。
そんな発酵臭が嫌いだった子供時代の井上さん、
今では、糠漬けやたくあんなど、ザ・お漬物 の昔ながらの発酵漬物を
作り続けておられます。
また、糠床を自宅でも作れるようにと、糠床の作り方の講座や、
糠床のサポート、診断なども積極的に行われていて、
リピーターさんも多い、人気講座になっています。
私自身、流行りの発酵ものについてなど、
とんちんかんな質問をしたりするのですが、
それに対しても、丁寧に対応してくださり、
素人でもわかりやすい説明と、井上さんならではの見解をお聞き出来て、
プロ、素人問わず、こりゃファンが増えるわと、納得。
ワインとお漬物の会やいろんな講座なども 積極的に行われていて、
幅広い世代から支持されています。
こだわり
井上さんがおじい様のそばで学び、見て、聞いて、感じたことなどをベースに、井上さんならではの発酵漬物を追及されています。
発酵物は生き物なので、毎回必ず同じ味にはならないですが、
長年受け継いできたものや、季節によって変わる味覚、感覚を頼りに、
「目指している味」を目的として想定し、ご自身が「美味しい」と思う範囲内に、味を着地させておられます。
その味が、思い描いた以上のものであった時は特に、
「だから発酵は面白い」
と感じるのだそう。
そんな井上さんですが、
「食べる人が自分と同じように美味しいと感じるのだろうか?」
と、意外にも不安感が常にあるそうなのですが、
「こんな漬物できひん?」
という依頼がいろんな方からよく来るのは、
「井上さんだったら、この素材で、どんな美味しいお漬物を作ってくれるだろうか」
という大きな期待と信頼を持っているからだと思うのです。
伝統を守りつつ、新しいものに挑戦し続け、
美味しいお漬物を届けてくださる井上さんならではの味をぜひ味わってみてください。
生産者さんから一言
こだわりは色々とありますが、とにかく楽しく美味しい食卓のお役に立てたら幸いです!